観測史上2番目に梅雨入りした熊本県。例年より20日早い5月15日に梅雨入りが発表されました。
この時期に多い家のトラブルが、雨漏りです。
古民家は、築年数の古い家。住む前は屋根の点検・メンテナンスを入念に行うことをおススメします。
梅雨に急増する雨漏り
先述した通り、6月~7月の梅雨の時期は、雨漏りが急増します。
しかし雨漏りの原因は、雨そのものではありません。屋根や外壁の破損によって起こります。
よって、雨漏りが起こる以前から、経年劣化や自然災害によって既に破損していたということ。
ちなみに雨漏りが最も起こる時期は、実は梅雨ではありません。
全国的に多くなる時期は、9月~10月です。これは、台風の強風によって屋根や外壁が破損するからです。
つまり、6月に雨漏りが急増するのは、それ以前に屋根や外壁が破損していたからなんですね。
古民家は雨漏りが起きやすい?
現在のほとんどの瓦屋根には、瓦の下に防水シートが張られています。
防水シートは、屋根の野地板(瓦を支える板地)に雨などの侵入を防ぐ役割があり、雨漏り対策には欠かせないシートです。
しかし、古民家にはこの防水シートが張られていない場合があります。
特に建ってから一度も改装・補修工事をしていないという古民家には、この防水シートがない場合がほとんど。
日本の瓦屋根は丈夫で長持ちする特徴がありますので、見た目には異常がないかもしれません。
その下の野地板は破損しているということも十分有り得ます。
これから古民家に住むことを考えている人は、専門業者に屋根の点検を依頼することをおススメします。
雨漏りの補修工事にはどんな種類がある?
雨漏りの補修工事にはいくつか方法がありますが、建ってから一度も補修工事をしていないという古民家の場合は、葺き替え工事が奨められます。
葺き替え工事とは簡単に言うと、屋根全体を取り外して、新しい屋根を取り付けること。
部分補修と違い屋根全体の工事となりますので、費用・工期がかかりますが、全く新しく生まれ変わるので、雨漏りはもちろん、災害にも強くなります。
またその他には、既存の屋根材の上に、防水シートと新しい屋根材を被せるカバー工法もあります。破損している箇所だけを新しい屋根材でカバーする方法です。
カバー工法は解体作業を必要としないので、その分コストも安く抑えられ、工期も短く済むので葺き替えよりは需要のある工法です。
雨漏りを放置しておくと、家の中にカビが生えたり建材を脆くしたりと二次被害が進行しますので、古民家に住む前には必ず屋根を確認しておきましょう。
(執筆:瀬上)